日本大百科全書(ニッポニカ) 「バックル(留め金具)」の意味・わかりやすい解説
バックル(留め金具)
ばっくる
buckle
ベルトや靴などについている尾錠(びじょう)や留め金具のこと。締め付ける道具としての実用性と、装飾性の二面から用いられる。素材は、金属、鋳物、皮革、木、プラスチックなどのほか、布や皮をかぶせたり、宝石やビーズで装飾したものもある。古代ギリシアでは、甲冑(かっちゅう)、靴、革ゲートルにすでに金属製のものがみられ、中世にも盛んに用いられた。ベルトのバックルは、男子のズボンに15世紀から、婦人服には19世紀から使用された。形式としては、〔1〕シンチ・バックル ひっかけるための歯状突起のついたもの、〔2〕トレンチ・バックル スライド式のもの、〔3〕スクラブ ベルトの両端につけた金具をかみ合わせるもの、の3種がある。
[平野裕子]