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スイスの医学者,植物学者。ベルンの名門に生まれ,10歳でラテン語の詩を作り,ギリシア語,ヘブライ語に習熟するという早熟の才を示した。チュービンゲン大学で解剖学と植物学を修め,オランダのライデン大学でH.ブールハーフェに師事,1727年学位を得た。ロンドン,オックスフォード,パリと研修旅行を続け,バーゼルでJ.ベルヌーイに数学を学んだ。その後,故郷ベルンで医師を開業,同時にスイス山地を歩いて植物標本を採集,また詩集《アルプス》(1729)を発表した。36年ゲッティンゲン大学教授に招かれ,解剖学,外科学,植物学を講じた。筋肉と神経の働きを科学的事実で証明することに努力,筋肉が刺激に対して収縮する特性を〈刺激感応性〉と呼び,神経は刺激を脳から筋肉へ伝える役割とともに,刺激を感知する〈感覚性〉をももつことを確かめ,近代実験生理学の確立に貢献した。53年ベルンに帰って著述に専心し,《人体生理学綱要》8巻(1757-66)はじめ多くの学術書,詩,小説を刊行し,植物学ではC.vonリンネに対抗。また市政に参与して教育制度の充実や孤児院の建設に尽力した。
ハラーは詩人としても名高く,《スイス詩の試み》(1732)でスイス国民文学の先駆者となるが,文明に毒された都会と高山の自然や純朴な人々を対置してうたった長詩《アルプス》はルソーの思想を先取りするものであった。
執筆者:本田 一二+岩村 行雄
スイスの法学者。ベルン・アカデミーの教授をつとめ,カトリックへの改宗,パリの外交政治記者を経て,七月革命後スイスに戻り,政論家として広くヨーロッパに知られる。主著《国家学の復興Die Restauration der Staatswissenschaften》6巻(1816-25)では,自然法的社会契約論を論駁(ろんばく)し,宗教的基礎に立つ身分制的家産国家論を主張し,復古期の代表的思想として広く受け入れられた。プロイセンその他のヨーロッパの君主国の保守的政治家に対し,大きな思想的影響を及ぼした。
執筆者:石部 雅亮
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…ハイドは大動物(ウシ,ウマなど)の皮で,アメリカ,カナダ規格では皮重量25ポンド(約11kg)以上のもの,スキンはそれ以下のもので,幼動物または小動物(子ウシ,ヒツジ,ブタなど)の皮をさす。ハイドはその使用目的によって原料皮,または革になったとき,サイドside(背線での半裁),ショルダーshoulder(肩部),バットbutt(背部),ベリーbelly(腹部)などに裁断されることがある(図)。 動物からはいだままの生皮は腐敗しやすいので,ただちに乾燥(乾皮),塩づけ(塩蔵皮),塩づけののち乾燥(塩乾皮),防腐剤で処理後,乾燥(薬乾皮)などの方法で保存される(仕立て,キュアリング)。…
…もともと〈自然学〉の意味で使われていたphysiologieを今日の生理学の意味に用いたのは,フランスの医者J.F.フェルネルがその大著のタイトルの一部に用いたのが最初(1554)とされる。近代生理学は,18世紀のW.ハーベーによる血液循環の研究に始まり,A.vonハラーその他の人々によって基本的な枠組みがつくられ,19世紀に入ると,J.ミュラーやC.ベルナールらによって実験生理学が開かれた。とくにベルナールの《実験医学序説》(1865)は今なお一般生理学の古典である。…
※「ハラー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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