ハナヤスリ(花鑢)(読み)ハナヤスリ(英語表記)Ophioglossum vulgatum; adder's tongue fern

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハナヤスリ(花鑢)」の意味・わかりやすい解説

ハナヤスリ(花鑢)
ハナヤスリ
Ophioglossum vulgatum; adder's tongue fern

ハナヤスリ科の夏緑性シダ植物で,ヒロハハナヤスリともいう。根茎は円柱状で短く,直立する。葉は長さ 20cmぐらいで毎年葉を1本だけ生じ,栄養葉は単葉広卵形楕円形,広披針形と変化があり葉柄をもたない。胞子葉は細長く直立し,柄は栄養葉の基部で包まれる。胞子初夏熟し,表面に網目模様がある。ハナヤスリの仲間は,根を広く伸ばして不定芽を生じ,それによって栄養体生殖をして繁殖する。日本には本種のほかにコヒロハハナヤスリ O. petiolatum,ハマハナヤスリ O. thermale,サクラジマハナヤスリ O. kawamuraeなどが知られている。

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