ハナカンザシ(読み)はなかんざし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハナカンザシ」の意味・わかりやすい解説

ハナカンザシ
はなかんざし / 花簪
[学] Rhodanthe chlorocephala subsp. rosea (Hook.) Paul G.Wilson
Helipterum roseum Benth.

キク科(APG分類:キク科)の半耐寒性一年草。名は、花をかんざしに見立てたもの。旧属名のヘリプテルムやアクロクリニュームでよばれることがある。オーストラリア原産。草丈は40~60センチメートル。全株ほとんど無毛で、茎の基部から多くの細くてじょうぶな枝を出し、各枝の先に花をつける。葉は線形かへら状披針(ひしん)形で、ややよれて柔らかく、緑色で白粉を帯びる。頭花は径約3センチメートル、一重または八重咲きで、舌状花はケイ酸質でかさかさしており、平開し、先端部は立ち上がる。花色は白、桃、紅桃色など。中心の管状花は黄色。カイザイクムギワラギクローダンセなどとともに、ドライ・フラワーに賞用される。

[植村猶行 2022年3月23日]

栽培

秋か春に種子を播(ま)き、日当りと水はけのよい所で育てる。過湿と酸性土を嫌うので、石灰を散布して酸性を中和するとよい。七分咲きで刈り取り、逆さに吊(つ)るしておくと簡単にドライ・フラワーとなる。

[植村猶行 2022年3月23日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例