ノボビオシン

化学辞典 第2版 「ノボビオシン」の解説

ノボビオシン
ノボビオシン
novobiocin

C31H36N2O11(612.62).Streptomyces niveusS.spheroidesが産生する抗生物質.淡黄色の斜方晶.分解点152~156 ℃.-63.0°(エタノール).UV(0.1 mol L-1 水酸化ナトリウムmax :307 nm(ε 36700),(0.1 mol L-1 メタノール塩酸)λmax 324 nm(ε 23900),(pH 7,リン酸緩衝液)λmax 390 nm(ε 21400).グラム陽性菌グラム陰性菌の一部に有効である.現在は臨床より,細菌の確認・鑑別同定のために使用されることが多い.大腸菌などのDNAジャイレースを特異的に阻害する.[CAS 303-81-1][CAS 1476-53-5:ナトリウム塩]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のノボビオシンの言及

【抗生物質】より

…グラム陽性菌に有効で,主として外用で用いる),フシジン酸(ステロイド構造。グラム陰性菌に有効で,内服,外用する),ホスホマイシン(グラム陽性菌および陰性菌に広い抗菌スペクトルをもち,内服あるいは注射で用いる),ノボビオシン(ブドウ球菌などのグラム陽性菌および一部のグラム陰性菌に有効で,内服,注射),リンコマイシン(グラム陽性菌に作用し,内服,注射)などがある。
[抗真菌(抗カビ)抗生物質]
 人体のカビ疾患は,カンジダ菌の肺,肝臓などの感染による重篤な症状や,白癬(はくせん)菌による水虫などの皮膚疾患が知られており,とくにこれらの菌に対する有効物質が求められている。…

※「ノボビオシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」