ノシメコクガ(読み)のしめこくが

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノシメコクガ」の意味・わかりやすい解説

ノシメコクガ
のしめこくが / 熨斗目穀蛾
Indian meal moth
[学] Plodia interpunctella

昆虫綱鱗翅(りんし)目メイガ科に属するガ。ノシメマダラメイガともいう。はねの開張10~18ミリメートルで、はねは非常に細長く、前翅の基部に近い半分は淡い黄褐色、それより外は赤色の地に黒っぽい鱗粉を散布する。後翅白色半透明だが外縁部は赤褐色を帯びる。幼虫は淡黄白色のウジで、頭部は黄褐色。穀類のほか乾果、製菓など多くの乾燥食品を食べる害虫である。幼虫はクモの巣より細密に糸を吐き、その中で蛹化(ようか)する。本種が多発すると、共同でつくった巣の中で幼虫が活動するのがみられる。発生は不規則で、年3、4回の世代を営む。米や麦の倉庫のほか、人家の台所でもよくみいだされる。

[井上 寛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のノシメコクガの言及

【ノシメマダラメイガ】より

…ほとんど全世界に分布しているが,これは食糧の輸送に伴ってこのガが運ばれるからである。マメマダラメイガ,ノシメコクガの別名がある。【井上 寛】。…

※「ノシメコクガ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android