ネスレ会社(英語表記)Nestlé S.A.

改訂新版 世界大百科事典 「ネスレ会社」の意味・わかりやすい解説

ネスレ[会社]
Nestlé S.A.

スイスで最大,世界でもトップ・クラスの食品メーカー。国内での売上げは全体の5%程度で,ヨーロッパを中心に多国籍企業化している。本社はスイスのブベー。1866年設立のアングロ・スイス・コンデンスト・ミルク社がその前身。同社が1905年,ネッスルネスレ)Henri Nestlé(1814-90)が1867年に設立したアンリ・ネッスル社と合併,ネッスル・アングロ・スイス・コンデンスト・ミルク社となった。同年アメリカにも進出。1929年,以前から資本参加していたスイスのチョコレート・メーカー,ペーターコーラー・グループを合併。38年,当時コーヒーの過剰に悩んでいたブラジル政府の依頼により,現在でも主力商品のインスタントコーヒー〈ネスカフェ〉の生産を始めた。第2次大戦後も積極的な経営政策を続け,47年,スイスの固形スープ〈マギー〉のメーカー,アリメンタナ社を買収,ネッスル・アリメンタナ社と改称。62年スウェーデンの冷凍食品メーカー,フィンダス社を,75年にはアメリカの缶詰メーカー,リビー・マクネイル・アンド・リビー社を買収している。しかし82年にリビー社の缶詰部門を不採算という理由で売却した。1977年,現社名に改称。日本に100%出資のネスレ日本(1994年,日本語表記をネッスルからネスレに変更)がある。売上構成は飲料25%,乳製品27%,調理済み食品18%,菓子12%,ペットフード12%など,売上高868億スイス・フラン(2004年12月期)。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報