ト・ホーフト(英語表記)'t Hooft, Gerardus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ト・ホーフト」の意味・わかりやすい解説

ト・ホーフト
't Hooft, Gerardus

[生]1946.7.5. デンヘルデル
オランダの物理学者。1972年ユトレヒト大学で物理学の博士号を取得,1977年同大学の物理学教授に就任。ユトレヒト大学大学院に在学中の 1969年当時,マルティヌス・J.G.フェルトマンのもとで自然界に働く力を統一する理論の研究に取り組む。1971年に,自然界に存在する四つの力のうち電磁気力電磁相互作用)と弱い相互作用を統一するワインバーグ=サラムの理論が,無限大となる量から有限な量を抜き出して計算することのできる「くりこみ可能性」(→くりこみ理論)を備えていることを数学的に証明した。さらに,弱い相互作用を媒介する粒子として存在が予測されていた W粒子Z粒子の構造を解明した。素粒子論の研究に貢献したこの業績によって,フェルトマンとともに 1999年ノーベル物理学賞を受賞した。(→素粒子素粒子物理学

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android