デルフィニジンクロリド

化学辞典 第2版 「デルフィニジンクロリド」の解説

デルフィニジンクロリド
デルフィニジンクロリド
delphinidin chloride

3,5,7-trihydroxy-2-(3,4,5-trihydroxphenyl)-1-benzopyrilium chloride.C15H11O7Cl(338.70).アントシアニジンの一種で,サクラソウ科Plumbaginaceae,ウルシ科Anacardiaceae,マンサク科Hamamelidaceaeなど多くの植物に配糖体として広く存在する.アグリコン顔料の塩化物.四水和物はチョコレート色の稜柱晶または針状晶.無水和物は350 ℃ 以下では融解しない.メタノールエタノールに易溶で,紫紅色~紫色溶液となり,FeCl3により深青色を呈する.アミルアルコールにも易溶で,水溶液から完全に転溶する.λmax 276~7,357,561 nm(0.1% エタノール性塩酸).おもな配糖体として,エンペトリン(3-ガラクトシド)はガンコウランEmpetrum nigrumの果実に,デルフィン(3,5-ジグルコシド)はヒヤシンスHyacinthus orientalisの青色花,サフランCrocus sativusの花,ナスSolanum melongenaの果皮などに,チュリパニン(3-ラムノシド)はチューリップTulipa gesnerianaの暗紫色花に含まれる.[CAS 528-53-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報