ツヅレサセコオロギ(読み)つづれさせこおろぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツヅレサセコオロギ」の意味・わかりやすい解説

ツヅレサセコオロギ
つづれさせこおろぎ / 綴刺蟋蟀
[学] Velarifictorus aspersus

昆虫綱直翅(ちょくし)目コオロギ科に属する昆虫。夏から秋にかけて、本州以南の地に普通にみられるコオロギ。体長17~20ミリメートルの中形種。体は黒褐色で、丸い頭部は光沢があり、後頭部に黄褐色の6条がみられ、前胸背板や淡褐色の肢(あし)には不規則な条(すじ)や紋がある。前翅はやや短く、腹端を越えない。後翅には長翅型・短翅型がある。雄は夜間リッリッリッリッとよく鳴く。和名は、晩秋に生き残ってわびしく鳴くさまが、いかにも寒い冬の到来を警告しているようで、これを古人は「肩刺せ、裾(すそ)刺せ、綴(つづ)れ刺せ」と聞き、着物の手入れをするよう教えているとした俗言に由来する。東南アジアにも分布する。

[山崎柄根]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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