日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
チャンドラグプタ(1世)
ちゃんどらぐぷた
Chandragupta Ⅰ
生没年不詳。古代インドのグプタ朝第1代の王(在位320~335ころ)。3世紀中ごろ、クシャン朝衰退後、マガダ地方(今日のビハール州南部)に興起した小国に生まれ、周辺の諸勢力を征服して、アラハバードからベンガル北部に至るガンジス流域を領土とし、グプタ帝国の基礎をつくった。その間に、ビハール北部の名家リッチャビ家の娘クマーラデービーと結婚し、そのうえ「大王の王」「最高の君主」という王位を誇示するサンスクリットの新しい称号を唱えて、王朝の権威を高めた。その後北インドに広く用いられたグプタ紀元の元年は320年にあたり、それは彼が王位についた年と考えられている。
[山崎利男]