タール(油状物質)(読み)たーる(英語表記)tar

翻訳|tar

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タール(油状物質)」の意味・わかりやすい解説

タール(油状物質)
たーる
tar

有機物の熱分解によって生成する褐色から黒色粘稠(ねんちゅう)性油状物質の総称。木(もく)タール石油ピッチなどがあるが、狭義には石炭乾留で得られるコールタールをさす。タールの組成・性状は原料により異なるが、多環縮合芳香族化合物を基本とし、これに少量の硫黄(いおう)、窒素、酸素、灰分などを含む。防腐剤塗料などに用いられるが、もっとも重要なのは芳香族系化学原料としての用途で、石炭化学工業はコールタールから、有用な化学物質を得ることを出発点として発展した。

田上 茂]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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