タシ・テムル(塔失帖木児)(読み)タシ・テムル(英語表記)Tashi Temür

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

タシ・テムル(塔失帖木児)
タシ・テムル
Tashi Temür

中国,末の武将。康里 (カングリ) 国の人。字は九成。成宗朝に仕え中書右丞相になったトクトア (脱脱)の子。諸官職を歴任し,至正 15 (1355) 年中書平章政事となった。翌年張士誠反乱を起し杭州に迫ると富陽に逃れ,楊完者が士誠を破ったので帰還した。のち士誠は偽ってくだり,王爵を求めたので大尉の位を与えて懐柔したが,結局士誠は自立し呉王と称した。タシ・テムルは嘉興に流され,毒酒を飲んで自殺した。

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