タイツリオウギ(読み)たいつりおうぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タイツリオウギ」の意味・わかりやすい解説

タイツリオウギ
たいつりおうぎ / 鯛釣扇
[学] Astragalus mongholicus Bunge
Astragalus membranaceus Bunge

マメ科(APG分類:マメ科)の多年草。茎は高さ40~70センチメートル。葉は17~21枚の小葉からなる奇数羽状複葉で、小葉は長卵形、長さ1~2センチメートル、両面に白い軟毛が生える。7~9月、長い柄のある総状花序を伸ばし、5~10個の花を密につける。花は黄白色で長さ約2センチメートル、萼(がく)には黒褐色の短毛があり、萼裂片は短い。豆果は楕円(だえん)形で著しく膨らみ、両端は鋭くとがり、長さ3~4センチメートル、まばらに微毛が生え、明らかな柄があって下垂する。種子は5~7個。北海道の低地川原本州高山草原に生え、朝鮮半島、中国東北部、シベリア東部にも分布する。名は、下垂する豆果の形をタイを釣り上げたときの姿に見立てたもの。

[立石庸一 2019年10月18日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のタイツリオウギの言及

【レンゲソウ(蓮華草)】より

…日本には8種が自生している。タイツリオウギA.membranaceus Bungeは北海道と本州中部地方に生える多年草で高さ40~70cm。7~9月に多数の黄色花を穂につける。…

※「タイツリオウギ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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