ジルコン酸チタン酸鉛(読み)ジルコンサンチタンサンエン

デジタル大辞泉 「ジルコン酸チタン酸鉛」の意味・読み・例文・類語

ジルコンさん‐チタンさんえん【ジルコン酸チタン酸鉛】

チタン酸ジルコン酸鉛

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「ジルコン酸チタン酸鉛」の解説

ジルコン酸チタン酸鉛
ジルコンサンチタンサンナマリ
lead titanate zirconate

略称PZT(ピージーティー).鉛,ジルコニウムチタン,酸素からなるペロブスカイト型構造の化合物で,Pb(ZrxTi1-x)O3(0 < x < 1)という化学式で表される.この物質は沢口らにより1953年に発見された.その後,1954年にJaffeらにより高い圧電特性をもつことが明らかとなり,それ以降代表的な圧電材料として現在まで広く用いられている.PZTは,アメリカのClevite社の商品名であるが,この材料の一般的な名称として定着している.また,PZTの中で,ジルコニウムやチタンといった四価のイオンを五価の金属イオンで一部置換したものをとくにソフトPZT,一方,四価よりも小さな価数の金属イオンで一部置換したものをハードPZTといい,応用に合わせて圧電特性のチューニングが行われている.PZTはこれまでセラミックスの形態でおもに圧電材料として用いられてきたが,今日では薄膜や厚膜の形態として,不揮発性メモリー材料や,マイクロマシンや次世代のシリコン微細加工に用いられるMEMS(micro electro mechanical systems)用のアクチュエータ材料としても大きな注目を集めている.[CAS 12626-81-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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