ジハード団

デジタル大辞泉プラス 「ジハード団」の解説

ジハード団

《Al-Jihad》エジプト政府打倒とイスラム国家の樹立を目的に掲げ、1960年に結成された武装組織。エジプト、パキスタンレバノンイエメンを主な活動地域とする。サダト大統領暗殺(1981年)、マフグーブ人民議会議長暗殺(1990年)、パキスタン大使館爆破(1995)といった事件を実行。1997年にアフガニスタンに入国した最高指導者のザワヒリは、アルカイダ最高指導者のオサマ・ビン・ラディンと結び、対米テロを唱え始める。1998年には両者は「ユダヤ・十字軍に対するジハードのための世界イスラム戦線(通称:世界イスラム戦線)」結成を宣言し、全ムスリムに対し米国人とその同盟者の殺害を求めた。こうした動きに対し、CIAによるジハード団幹部の摘発とエジプト政府による大規模裁判が行われ、組織は打撃をこうむる。この件への責任を問われたザワヒリは、1999年に支持者を率いて組織を離脱。アルカイダに加わり、ビン・ラディン死後はアルカイダ最高指導者となった。組織は2001年10月6日、国連制裁対象に指定。別称「エジプトのイスラミック・ジハード」。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のジハード団の言及

【イスラム復興運動】より

…復興運動の内部にはいくつもの潮流があり,政治闘争優先の是非,武装闘争の可否,民族主義や世俗主義との協調,伝統的イスラム勢力の評価などをめぐって,穏健路線と急進路線の対立がしばしば生じている。エジプトのように,穏健派(ムスリム同胞団)が多くの支持を集める一方,少数の急進派(サーダート大統領暗殺事件のジハード団や観光客襲撃事件のイスラム集団)が武装活動を行う場合も見られる(〈エジプト〉の項目の〈エジプト・アラブ共和国〉[政治]の項参照)。【小杉 泰】。…

※「ジハード団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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