日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジクロロメタン」の意味・わかりやすい解説
ジクロロメタン
じくろろめたん
dichloromethane
メタンの水素原子2個を塩素原子で置換した化合物。塩化メチレンともいう。エーテル臭のする無色液体。工業的には、塩素によりメタンを350~400℃で塩素化して得たクロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素(テトラクロロメタン)の混合物を分別蒸留するか、メタノールと塩化水素より得たクロロメタンを同様に塩素化して製造する。水にはわずかしか溶けないが、エタノール、エーテルには溶ける。塗料剥離(はくり)剤、金属脱脂剤などの洗浄剤、ウレタン発泡助剤、エアゾール噴射剤、冷媒などの反応溶媒として用いられる。不燃性で、市販品にはメタノールなどの安定剤が入っている。排水基準値は0.2mg/lと厳しく、取扱いに注意が必要である。
[谷利陸平]