クロロメタン(読み)くろろめたん(英語表記)chloromethane

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロロメタン」の意味・わかりやすい解説

クロロメタン
くろろめたん
chloromethane

ハロアルカンハロゲン化アルキル)の一つ。メタン水素原子1個を塩素原子で置換したもの。塩化メチルともいう。常温・常圧で無色気体。圧縮すると液化する。工業的には、塩素によりメタンの水素原子を塩素原子と置換し、得られた多塩素化物より分留する方法か、塩化亜鉛触媒下120~150℃で塩化水素によりメタノールを塩素化する方法により製造する。冷凍機の冷媒、低温での溶媒、種々の有機化合物にメチル基-CH3を導入するメチル化剤として、また発泡剤、不燃性フィルム原料として用いられる。多量の蒸気吸入すると吐き気めまいなどの急性中毒をおこす。

[谷利陸平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「クロロメタン」の解説

クロロメタン
クロロメタン
chloromethane

methyl chloride. CH3Cl(50.49).塩化メチルともいう.メタノールと塩酸とを触媒の存在下で反応させてつくられる.無色のエーテル様香気をもつ気体.融点-97 ℃,沸点-24 ℃.0.920.臨界温度416.2 ℃,臨界圧6.595 MPa.結合距離 C-H0.109 nm,C-Cl0.178 nm.∠H-C-H110°30′.双極子モーメント1.87 D.冷凍用冷媒,溶媒,メチル化剤,医薬品,農薬などに用いられる.LD50 152000 mg/m3(ラット,30 min 吸入).[CAS 74-87-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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