シンガポール植物園(読み)シンガポールショクブツエン

デジタル大辞泉 「シンガポール植物園」の意味・読み・例文・類語

シンガポール‐しょくぶつえん〔‐シヨクブツヱン〕【シンガポール植物園】

Singapore Botanic Gardenシンガポール、市街中心部にある植物園。1859年開園。第二次大戦中の日本占領下では昭南植物園とよばれた。交配種も加え3000種以上のランを集めた国立洋ラン園、山岳地帯を再現した冷温室、同園の前身にあたるショウガ園などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「シンガポール植物園」の意味・わかりやすい解説

シンガポール植物園 (シンガポールしょくぶつえん)

1859年に設立され,約35haの地域に熱帯植物の植物学・園芸学の研究材料が栽培されている。この地域の植物の研究にとって重要な拠点であったし,またランの人工交配などにも大きな成果を上げてきた。日本占領時代には昭南植物園とよばれ,植物学者郡場寛((こおりばかん),1882-1957)が園長を務めたこともあった。現在では3000種に及ぶ野生種と,交配などによって作られた多数の栽培種をもっている。付設ハーバリウムには,アジアの熱帯のものを中心に,50万点をこえる腊葉(さくよう)標本が収蔵されており,図書室にも充実した蔵書が集められている。シンガポールが独立してからは,植物学の研究スタッフは減少し,園芸部門に重点がおかれ,公園としての要素が重視されている。
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世界の観光地名がわかる事典 「シンガポール植物園」の解説

シンガポールしょくぶつえん【シンガポール植物園】

シンガポールの中心部近くにある植物園。52haの園内には、熱帯植物の原生林ほか同国国花である2万本のランが咲く国立蘭園、ジンジャーガーデン、エボリューションガーデンなどがある。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシンガポール植物園の言及

【植物園】より


[世界の植物園]
 研究を主目的とする植物園は生きた植物を栽培するための広大な面積と温室などの設備,それに研究室と,付属設備としての図書室とハーバリウム(植物研究資料標本館)を必要とするので膨大な経費を要し,ほとんどのものが国公立,または国公立の大学付属となっている。イギリスは大英帝国の時代に,ロンドン西郊のキュー植物園を中心に,スコットランドのエジンバラ植物園,インドのカルカッタ植物園,スリランカのペラデニア植物園,シンガポールのシンガポール植物園,オーストラリアのシドニー植物園などにそれぞれ設備を整え,共同研究の体制を組んだ。植物園に栽培できる植物は種数でも個体数でも限定されたものであり,世界中に生育する植物の比較研究をするためにはハーバリウムは不可欠であり,これらの植物園にはすべて所蔵標本点数でも世界屈指のハーバリウムが付設されている。…

※「シンガポール植物園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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