シュプレンガー(英語表記)Jakob Sprenger

改訂新版 世界大百科事典 「シュプレンガー」の意味・わかりやすい解説

シュプレンガー
Jakob Sprenger
生没年:1436ころ-95

ドイツのドミニコ会士。ラインフェルデンに生まれ,シュトラスブルクに没した。1477-88年までケルンのドミニコ会副修道院長をつとめたが,81年以後は異端審問官として魔女裁判君臨,その審問記録をクレーマーHeinrich Krämer(1430ころ-1505,別名インスティトリスH.Institoris)との共著魔女への鉄槌》(1487)にまとめた。同書は以後17世紀にいたるまで版を重ね,とくにその第3部は中欧の魔女裁判における刑罰法典とみなされて,残酷な拷問刑罰を発生させた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシュプレンガーの言及

【魔女】より

…そのためのスケープゴートとして魔女たちを血祭りにあげるいわゆる〈魔女狩りwitch hunting〉が発生した。教会側からみた魔女信仰の調査は,2人のドミニコ会士,J.シュプレンガー,H.クレーマー共著の《魔女の槌》(1486)にまとめられたが,この著作を契機に,魔女狩り,魔女裁判,魔女容疑者への拷問,火刑は15~16世紀における〈一つの産業〉(K.セリグマン)にまで膨張し,その猛威は16世紀末~17世紀初頭に頂点を迎えた。これが宗教改革の時代と重なること,魔女迫害はカトリック,プロテスタントを問わず行われたことは注目に値しよう。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」