日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シャーマン(呪術・宗教的職能者)
しゃーまん
shaman
神や精霊との直接接触からその力能を得、神や精霊との直接交流によって託宣、予言、治病、祭儀などを行う呪術(じゅじゅつ)・宗教的職能者。役割を果たす際に、トランスtrance(意識の例外状態)のような異常心理状態になることが多い。男女あるが、地域や民族により比率が異なる。シャーマンになるのには大別して二つの方法がある。一つは、神霊や精霊が特定の人物を選んで試練を課し、強制的にシャーマンに仕上げるもので、召命型といわれる。他は、いろいろな理由から個人が意図的にシャーマンになることを志し、多くは先輩シャーマンの指導により、学習・修行を続けて一人前になるもので、修行型とよばれる。いずれの場合も、神や精霊との直接接触・交流の力能の把握が中心となる。わが国では巫者(ふしゃ)とか巫女あるいは巫覡(ふげき)とよばれる。
[佐々木宏幹]
『佐々木宏幹著『シャーマニズム――エクスタシーと憑霊の文化』(1980・中央公論社)』
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