シッキム条約(読み)シッキムじょうやく

改訂新版 世界大百科事典 「シッキム条約」の意味・わかりやすい解説

シッキム条約 (シッキムじょうやく)

1890年(光緒16)清朝イギリスとのあいだに結ばれた条約。1887年,チベット軍がシッキム侵入,これに対しイギリスが介入しシッキムを占領した。この問題処理のため,チベットの宗主であった清朝とイギリスのあいだで締結されたのがシッキム条約で,清はシッキムへのイギリスの保護権を承認し,チベット・シッキム間の国境等も定めた。この条約で,ヒマラヤ南域におけるイギリスの地位は決定的なものとなり,さらにチベット進出への道も開かれた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報