日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
サージェント(John Singer Sargent)
さーじぇんと
John Singer Sargent
(1856―1925)
アメリカの画家。イタリアのフィレンツェに生まれ、主としてパリとロンドンで国際的に活動した。1874年パリでカロリュス・デュランに師事。そのころからホイッスラー、ドガなどの感化を受け、80年代初めから生来の巧妙な筆さばきが現れる。84年、サロンの出品作が原因でロンドンに移住して以来、甘美な作調によって上流階級の肖像画を数多く制作している。97年にはナショナル・アカデミー・オブ・デザインやロイヤル・アカデミーの会員に推されたが、87年以降しばしばアメリカに渡り、ボストン図書館とボストン美術館の天井壁画を完成、また肖像画のほかに風景画を好んで描くようになった。
[桑原住雄]