日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
サバール(Félix-Antoine Savard)
さばーる
Félix-Antoine Savard
(1896―1982)
カナダの小説家。フランス系。ケベック市に生まれるが、2歳のとき家族がシクチミに移り、青年時代まで同地で過ごす。26歳でカトリック僧籍に入り、以後開拓地で布教活動に従事するかたわら、作品を発表。小説『筏師(いかだし)ムノオ親方』(1937)、散文的エッセイ『アバチス』(1943)が知られている。他の作品に『バラショワ』(1959)、『狂女』(1960)、『墓碑』(1965)などがある。ケベック市のラバル大学で文学を講じ、フランス系カナダの民話や伝説の収集にも努めた。
[西本晃二]