日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
サザランド(Earl Wilbur Sutherland)
さざらんど
Earl Wilbur Sutherland
(1915―1974)
アメリカの生化学者。カンザス州バーリンゲームに生まれる。1937年ウォッシュバーン大学を卒業後、ワシントン大学医学部に移り、1942年博士号を取得、第二次世界大戦中は陸軍で軍医を務めた。1945年ワシントン大学で薬学講師、1950年に生化学の助教授、1952年準教授に昇格した。1953年から1963年までウェスタン・リザーブ大学の薬学部長、1963年バンダービルド大学教授、1973年マイアミ大学教授になった。
ワシントン大学でコリの指導で研究をスタートさせた。細胞のエネルギー源となるグリコーゲンの合成と分解のメカニズムを研究し、エピネフリンなどのホルモンとともに未知の物質が重要な役割を果たすことを発見し、その正体がサイクリック(環状)AMPであることを解明した。のちに、このサイクリックAMPは、生体内でのさまざまな調節現象に関与している重要な物質であることが明らかになった。1971年「ホルモンの作用機構に関する発見」によって、ノーベル医学生理学賞を受賞した。
[編集部 2018年8月21日]
[参照項目] |
|