サイゴクミツバツツジ(読み)さいごくみつばつつじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サイゴクミツバツツジ」の意味・わかりやすい解説

サイゴクミツバツツジ
さいごくみつばつつじ / 西国三葉躑躅
[学] Rhododendron nudipes Nakai

ツツジ科(APG分類:ツツジ科)の落葉低木。葉は広卵形下部の幅が広く、長さ5~7センチメートル、裏面主脈の基部に褐色毛を密生するが、葉柄にはあまり毛がない。5~6月、紅紫色の花を開く。雄しべは10本で、子房は褐色毛を密生する。九州山地に生える。本州の秋田県以西鳥取県までの日本海側には、近縁種ユキグニミツバツツジがある。

小林義雄 2021年4月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のサイゴクミツバツツジの言及

【ツツジ(躑躅)】より

…後者のうちミツバツツジR.dilatatum Miq.は花梗や子房に腺毛が密生し,果実にも腺点があるのが特徴で,関東・東海地方の山地に分布するが,種類としては北海道から九州までの太平洋側に分布し,トサノミツバツツジやハヤトミツバツツジなどの変種がある。東北地方南部から近畿東部に分布するトウゴクミツバツツジR.wadanum Makinoや九州に分布するサイゴクミツバツツジR.nudipens Nakai,その亜種で日本海側の山地に分布するユキグニミツバツツジなどは,子房に長毛が密生し,果実にも残る。中部地方西部から西,四国,九州の低山地に生えるコバノミツバツツジR.reticulatum D.Donは子房や果実に長毛のある点は上記のものと同じであるが,葉の裏面の細脈が目だった網目をつくるので,他と容易に区別できる。…

※「サイゴクミツバツツジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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