ゴンバデ-カーブース(読み)ゴンバデカーブース

世界遺産詳解 「ゴンバデ-カーブース」の解説

ゴンバデカーブース【ゴンバデ-カーブース】

2012年に登録された世界遺産(文化遺産)。10~11世紀、ズィヤール朝ペルシアの首都だったゴルガン(ジョルジャン)は、中央アジアのイスラム都市としてその繁栄ぶりを誇った。ゴンバデ・カーブースは、そのゴルガンに建つズィヤール朝第4代国王カーブース・ワシュムギールの霊廟墓塔で、「1006年にズィヤール朝の君主のカーブースが自身のために建てた」と墓塔側面の銘文に記されている。高さは53mと巨大で、円筒形の先端が鉛筆のように尖った形状で内部は空洞。無釉煉瓦造りのユニークなデザインはペルシア文化・イスラム文化・アジア遊牧民文化などが融合した美と威風を特徴とし、ペルシア建築の傑作として、内層と外層からなる二重のリブも含め、後世モスクをはじめとする建築様式に影響を与えた。ズィヤール朝は、14世紀にモンゴル軍の侵略で滅亡したが、このゴンバデ・カーブースは唯一破壊を免れた貴重な文化遺産である。◇英名はGonbad-e Qābus

出典 講談社世界遺産詳解について 情報