コハリイルカ(英語表記)Phocoena spinipinnis; Burmeister's porpoise

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コハリイルカ」の意味・わかりやすい解説

コハリイルカ
Phocoena spinipinnis; Burmeister's porpoise

クジラ目ハクジラ亜目ネズミイルカ科ネズミイルカ属。体長は約 1.85mである。最大体長記録はウルグアイのもので約 2m。最大体重は約 85kgである。出生体長は 80~90cm。体色は黒色から灰色で背部は濃く腹側はやや淡い。噴気孔は1個で頭部正中線上にある。頭部は小さく,嘴 (くちばし) はない。背鰭 (せびれ) 前方付近が最も太く,そこに小さい針状または鱗状の突起を有する。背鰭は体の後方5分の2に位置し,低いが幅があり,直角三角形状で,後縁はややふくらむ。胸鰭は比較的前方に位置する。尾柄部にある上下のキール (稜状の隆起) は発達している。歯は小さいへら状で,上顎骨に左右 10~23対,下顎骨に左右 14~23対ある。6頭以下の小群で行動するが,まれに 70頭以上の群れをなす。出産期は夏であるが,ペルーでは晩夏から秋にかけてが盛んである。カタクチイワシヘイク (メルルーサ科) などの小型魚類,スルメイカ類を捕食する。南アメリカ大陸のブラジル南部からフエゴ島南部およびペルー北部までの沿岸域に分布し,刺網で混獲される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android