ゲンチアニン

化学辞典 第2版 「ゲンチアニン」の解説

ゲンチアニン
ゲンチアニン
gentianine

C10H9NO2(175.18).リンドウ科Gentiana kirilowiあるいはDipsacus azureusの根より得られるモノテルペンアルカロイドピリジン核を含む.融点79~80 ℃.λmax 220 nm(log ε 4.38).この種の化合物ではもっとも広く分布し,抗炎症作用,筋弛緩作用,降圧作用がある.[CAS 439-89-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のゲンチアニンの言及

【ハナイカリ(花碇)】より

…日本全土の日当りのよい草地に生育し,サハリン,千島列島,シベリア,カムチャツカ,中国からヨーロッパの東端まで広く分布する。植物体には,ゲンチアニンgentianineのほかにキサントンxanthone類(1‐ヒドロキシ‐2,3,4,5‐テトラメトキシキサントンほか)を含み,漢方では解熱・解毒剤とする。【豊国 秀夫】。…

【ミツガシワ】より

…北海道~九州に分布し,周極植物として北半球の北緯70゜から35゜付近まで広く分布する。乾燥葉は漢方で睡菜葉(すいさいよう)といい,苦味健胃薬として用いられ,ゲンチアニンgentianine,メンチアホリンmenthiafolinを含む。根は睡菜根(すいさいこん)と呼び,ロガニンloganin,メンチアホリンを含み,健胃薬のほかに高血圧に効く。…

【リンドウ(竜胆)】より

… 日本産のリンドウ類は,リンドウ属,タカネリンドウ属,チシマリンドウ属,サンプクリンドウ属の4属に分けられ,リンドウ属Gentiana(英名gentian)には,高山性のオヤマリンドウG.makinoi Kusn.,エゾリンドウG.triflora Pall.var.japonica (Kusn.) Hara,花が淡黄色のトウヤクリンドウG.algida Pall.(イラスト),高山性で小型のミヤマリンドウG.nipponica Maxim.,また一,二年草で草地に生えるフデリンドウG.zollingeri Fawc.(イラスト)やコケリンドウG.squarrosa Ledeb.,湿地に生育するハルリンドウG.thunbergii (G.Don) Griseb.(イラスト)などがある。 トウリンドウは根茎および根に苦味配糖体ゲンチオピクリンgentiopicrine,ゲンチアニンgentianineなどの苦味成分を含み,漢方では竜胆(りゆうたん)とよばれ,苦味健胃薬として用いられ,また他の生薬と配合して,解熱,肝炎,咽喉炎,中耳炎,高血圧,尿道炎などにも用いられる。また,ヨーロッパ原産のゲンチアナ・ルテア(単にゲンチアナともいう)G.lutea L.の根および根茎を多少発酵させたものも,苦味配糖体ゲンチオピクリンなどを含み,苦味健胃薬として消化機能低下,慢性胃炎などに用いられる。…

※「ゲンチアニン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」