日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
グリンカ(Konstantin Dmitrievich Glinka)
ぐりんか
Константин Дмитриевич Глинка/Konstantin Dmitrievich Glinka
(1867―1927)
ロシア生まれの土壌学者。ドクチャーエフ学派の優れた後継者である。サンクト・ペテルブルグ大学でドクチャーエフに鉱物学を学び、土壌研究の基礎を固めたのち、ノボ・アレクサンドリア農業研究所の地質・鉱物主任研究員を経て、ドクチャーエフ学派の一人であるシビルツェフNikolai Mikhailovich Sibirtsev(1860―1900)の後を受けて、同研究所のペドロジー(土壌学)主任教授となった。19世紀末から20世紀初頭にかけて、ロシアのみならず西ヨーロッパの各地を巡って土壌調査研究を行い、ドクチャーエフによって開かれた成因論的土壌学すなわちペドロジーの研究を発展させた。とくに著書『世界の大土壌群とその生成発達』は、ドクチャーエフ学説を西ヨーロッパ諸国(ドイツ、イギリス、フランスなど)のほかアメリカ合衆国にも普及させる功績となった。のちにアメリカに渡り、第1回国際土壌学会議で講演したあと胃癌(いがん)で死去した。
[浅海重夫]
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