グアダルーペオットセイ(英語表記)Arctocephalus townsendi; Guadalupe fur seal

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グアダルーペオットセイ」の意味・わかりやすい解説

グアダルーペオットセイ
Arctocephalus townsendi; Guadalupe fur seal

食肉目鰭脚亜目アシカ科ミナミオットセイ属。体長は雄 1.8~1.9m,雌 1.2~1.4m。体重は 160~170kg (雄) 。出生体重は推定 45~55kg。体毛は黒褐色で粗く硬い上毛と黄褐色で細く柔らかい下毛から成る。体型は紡錘形。四肢が長く掌部は鰭 (ひれ) 状で黒色を呈し毛がない。吻部は細長く前方に突出し,吻端はとがる。頭部は長く,吻端から後頭部にかけての形状は長卵形で,耳介は小さい。尾は非常に小さく後肢の間に隠れる。門歯上顎6本,下顎4本,犬歯は上顎と下顎に2本ずつ,頬歯は上顎 12本,下顎 10本である。単独で出現することが多く,海上を漂いながら休息したり毛繕いをする。繁殖期は6月中旬から8月にかけてである。ミナミオットセイ属のなかで唯一北半球に生息する種。バハカリフォルニア半島中部沖のグアダルーペ島でのみ繁殖することが知られている。雄は南カリフォルニアのサンミゲル島とサンニコラス島に生息する。またカリフォルニア南部やカリフォルニア北部の沿岸にも出現し,陸上では火山性の洞窟,洞穴岩場などを好む。絶滅危惧種。

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