クレピダタ劇(読み)クレピダタげき(英語表記)fabula crepidata

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレピダタ劇」の意味・わかりやすい解説

クレピダタ劇
クレピダタげき
fabula crepidata

古代ローマの演劇一種。詳細不明。パクウィウスアッキウス悲劇のようなギリシア題材を用いた悲劇をさすとも,ギリシア新喜劇を翻案したパリアタ劇別名であるともいわれる。

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世界大百科事典(旧版)内のクレピダタ劇の言及

【ローマ演劇】より

…エンニウスの甥であるパクウィウスMarcus Pacuvius(前220ころ‐前130)やアッキウスLucius Accius(前170‐前86ころ)は,もっぱら悲劇作家として知られている。ローマ悲劇は〈クレピダタ劇fabula crepidata〉と〈プラエテクスタ劇fabula praetexta〉の2種類に分かれるが,前者はギリシアの作品に基づき,題材をギリシアに求めたものであり(crepidataは〈ギリシア風のサンダルをはいた〉の意),後者は題材をローマに求め,著名なローマ人を登場人物にした劇である(praetextaは〈ローマ風の(紫の)縁飾のついた外衣を着た〉の意)。ナエウィウスは〈プラエテクスタ劇〉の創始者とみなされている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」