カムイコタン(読み)かむいこたん

日本歴史地名大系 「カムイコタン」の解説

カムイコタン
かむいこたん

漢字表記地名「神居古潭」のもとになったアイヌ語に由来する地名。「カモイコタン」(寛政一〇年頃「蝦夷地絵図」東京大学史料編纂所蔵、蝦夷全図)、「カムイコタン」(玉虫「入北記」)などと記される。「神の処と云儀」で(「戊午日誌」登加智留宇知之誌)、カモイコタンは「シユホロ」ともいう(山川地理取調図)。「松前随商録」の「石狩十六箇所之部」にカムイコウタンが「領主お台所弐ケ所」とみえ、「運上金古弐拾両」で産物は鯡・干鮭・鱒・櫚縄・樺皮・鷹・・鷹羽・隼・熊胆・雑魚・秋味など。「丁巳日誌」(再石狩日誌)によれば、シキウシハからハルシナイまでの一帯をカモイコタンとよび、「シキウシハとは、荷物背負場と云事也。

カムイコタン
かむいこたん

アイヌ語に由来する地名。コタン名のほか、岬の名称としてみえ、「カムイコタン」(西蝦夷地日記)、「カムヰコタン」(東海参譚)、「カムコタン」(西蝦夷地場所地名等控)、「カモヘコタン」(高島日記)、「カモイコタン」(「蝦夷日誌」二編、「観国録」)などと記される。「蝦夷巡覧筆記」に「此所山崩レ、大コロタ浜大難所」、「東海参譚」に六軒とある(文化三年四月一九日条)。「高島日記」にも「此所は大難所なり」とみえ、「誠に小家のことくなるいわをいくつとなくおひかさなり天涯につらなれり」「かろふして難所を夷人とも荷物を背おひなから通る有様不便の事におもひ、酒小半合はかりありしを遣しける」と記される(文化五年八月二四日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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