カッコソウ（読み）かっこそう

日本大百科全書(ニッポニカ)

カッコソウ
かっこそう
[学] Primula kisoana Miq.

サクラソウ科（APG分類：サクラソウ科）の多年草。全株に白い毛が密生し、浅く掌状に切れた葉を根生し、春に15センチメートルほどの花茎を出し、紅紫色の花を散形状につける。山地生のサクラソウの一種で、関東地方と中部地方、四国に産する美しい山草として、山草愛好家が好んで栽培する。

［鳥居恒夫　2021年3月22日］

　群馬県など関東北部にまれにみられる。中部地方で発見されたといわれるが、自生はみつかっていない。四国のものは毛が多い変種でシコクカッコソウとよばれる。野生のものは数を減らしている。

［編集部　2021年3月22日］

サクラソウ科のおもな種類〔標本画〕

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

世界大百科事典（旧版）内のカッコソウの言及

【サクラソウ(桜草)】より

…(3)サクラソウ･イワザクラの類　やはり外巻きの葉を有するが，粉状物がなく，葉に多細胞の毛があり，明りょうな葉柄をもつのが特徴である。温帯の沢沿いの岩壁(イワザクラP.tosaensis Yatabe)，落葉樹林下(カッコソウP.kisoana Miq.)，湿地(サクラソウP.sieboldii E.Morren)などに生育している。ほかにもオオサクラソウP.jesoana Miq.，コイワザクラP.reinii Fr.et Sav.やその地方に特異的な変種も多く分化している。…

※「カッコソウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」