オルドス・ブロンズ(英語表記)Ordos Bronze

山川 世界史小辞典 改訂新版 「オルドス・ブロンズ」の解説

オルドス・ブロンズ
Ordos Bronze

中国北方の砂漠,草原地帯で発見される青銅器。最初に発見されたのが内蒙古自治区オルドス地方であったことから命名。かつてその地域が綏遠(すいえん)省に属していたため綏遠青銅器と呼ばれたこともある。前15世紀頃にさかのぼる短剣,ナイフ,耳飾りから,前10~前9世紀のカラスク式短剣,前8~前3世紀のスキタイ・シベリア風動物文様の施された武器や装飾品,前6~前5世紀のアキナケス型短剣(蝶形の鍔(つば)が特徴で中国では径路刀(けいろとう)と呼ばれたらしい),前8~後5世紀のさまざまな鍑(ふく)(釜の一種),前2~後2世紀の動物文様長方形帯飾板などがある。どの時期にもモンゴルから黒海北岸に至るユーラシア草原地帯の遊牧民の文化と関係がある。地域差,年代幅が大きいので,一つの文化とは認めがたい。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android