オスグッド‐シュラッテル病(読み)おすぐっどしゅらってるびょう

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

オスグッド‐シュラッテル病
おすぐっどしゅらってるびょう

脛(けい)骨結節のいわゆる骨端症である。1903年、ボストンの整形外科医オスグッドRobert Bayley Osgood(1873―1956)とチューリヒの外科医シュラッテルCarl Schlatter(1864―1934)がそれぞれ別に発表した疾患脛骨の近位骨端が化骨して脛骨結節が骨癒合するまでの間、とくに10歳から15歳くらいまでの間に発病する。脛骨上端の膝(ひざ)のところにある脛骨結節が膨隆して圧痛があり、物にあたったり正座をしたときに疼痛(とうつう)がある。歩行障害はなく、普通、膝の運動も制限されない。予後は良好で放置しても半年か1年くらいで疼痛が消失する。しかし脛骨結節の膨隆は残るが、支障はない。疼痛を軽減させるためには、局所を刺激しないようにし、入浴などによって局所の循環をよくする。また、脛骨結節に穿孔(せんこう)して疼痛を消失させるなどの積極的な治療法も行われている。

[永井 隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例