オクチルアルコール

化学辞典 第2版 「オクチルアルコール」の解説

オクチルアルコール
オクチルアルコール
octyl alcohol

C8H18O(130.23).オクタノールともいう.炭素数8の脂肪族飽和アルコールの総称であるが,工業的にはとくに2-エチル-1-ヘキサノールをさすことがある.【】1-オクタノール:CH3(CH2)6CH2OH動物油脂中などに酢酸,酪酸エステルとして,またフーゼル油中に存在する.カプロン酸エステルの還元によって得られる.融点-15 ℃,沸点195.28 ℃.0.8256.[CAS 111-87-5]【】2-オクタノール:CH3(CH2)5CH(OH)CH3光学異性体を有し,ラセミ体はフーゼル油中に存在する.融点 -31 ℃,沸点179.0 ℃.0.8168.水に難溶,エタノール,ジエチルエーテルに可溶.溶剤,香料に用いられる.[CAS 123-96-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オクチルアルコール」の意味・わかりやすい解説

オクチルアルコール
octyl alcohol

化学式 C8H17OH 。 89種の異性体が可能である。そのうち1-オクタノールはバラのような香りをもつ沸点 195℃の液体。花の精油中に遊離の状態または酢酸エステルとして見出される。2-エチルヘキサノールは工業用可塑剤原料として用いられる無色液体で,沸点 184℃。アセチレンからアセトアルデヒド,アルドールを経て製造される。オレフィンと一酸化炭素,水素からオキソ反応によるか,またチーグラー触媒による重合によっても製造される。フタル酸と2-エチルヘキサノールとのエステルはポリ塩化ビニルなどの高分子物質の可塑剤として重要である。塗料や合成潤滑油の原料でもある。

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