日本大百科全書(ニッポニカ) 「エール(ビール)」の意味・わかりやすい解説
エール(ビール)
えーる
ale
イギリスの伝統的なビール。麦芽を原料とし、ホップを加え上面発酵法によってつくり、アルコール分がやや高く、濃味である。日本のビールはドイツ系で、低温で行う下面発酵法により、アルコール分は約4.5度であるが、エールはやや濃く、平均8度前後である。エールは穀類からつくられていたが、長い歴史の間に麦芽、ホップを使う今日の製法になった。キングス・エールなどの歴史的な名称のエールもあるが、アルコール分、ホップのききぐあい、色などにより、タイプはさまざまである。淡色、ドライ(辛口)で、ホップの苦味(にがみ)のやや強いものをペール・エール、アルコール分の弱いものをマイルドあるいはシングル・エールという。また、ホップを使わずに、砂糖やバター、あるいはスパイスで風味づけしたものもある。
[秋山裕一]