エア(バビロニア神話)(読み)えあ(英語表記)Ea

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エア(バビロニア神話)」の意味・わかりやすい解説

エア(バビロニア神話)
えあ
Ea

バビロニア神話水神。もとはシュメールの神であったが、のちにセム人の間でも尊崇されるようになり、しばしばエンキと同一視された。エアは知恵をつかさどる神とみなされ、南メソポタミアのエリドゥにあった神殿エ・アブズ(深淵(しんえん)の住まいの意)が崇拝の中心地であった。また天神アヌ、および大地の神エンリルらとともにシュメール、バビロニア宗教において最上位の神とされ、多くの宗教や神話文書に言及されている。人間の創造者であり、また『ギルガメシュ物語』の大洪水説話にみられるように、しばしば人間を救うものであった。

矢島文夫

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android