エンキ(英語表記)Enki

改訂新版 世界大百科事典 「エンキ」の意味・わかりやすい解説

エンキ
Enki

シュメール淡水神。同時に知恵と呪法の神,創造の神,シュメールの宇宙と社会の諸規則の管理者でもあった。バビロニアのエアEaに当たる。その妻はダムガルヌンナ(ダムキナ)で,アサルルヒ(マルドゥク)はその子,ナンシェはその娘。エンキ(エア)は人類に対して終始一貫して好意的であり,たとえばバビロニアの洪水神話の主人公で旧約聖書ノアに当たるウトゥナピシュティムにひそかに洪水警告をした。象徴ヤギの頭をもった魚。
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百科事典マイペディア 「エンキ」の意味・わかりやすい解説

エンキ

シュメール神話の主神一人。バビロニアではエアEa。淡水,知恵,秩序をつかさどる。人類の友として大洪水到来をウトゥナピシュティムに予告し,人類を破滅から救う。山羊頭魚身で表される。
→関連項目アヌエリドゥマルドゥク

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エンキ」の意味・わかりやすい解説

エンキ

エア」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のエンキの言及

【水神】より

…トロイア人がスカマンドロス川Skamandrosの聖なる力を信仰し,牛や馬を供犠として深みに投じたことや,ガンガー(ガンジス川)が清浄力をもつとされ,古代から現代にいたるまで沐浴する者が後を絶たず,遺骨が投棄されることはよく知られている。水を支配・統御する独立の神(霊)として有名なものにシュメールの水神エンキ(バビロニアではエア),アッカドにおける雨の神としてのアダドまたはハダド,エジプトのナイル川を支配する神のハピHapi,さらに,ギリシアの海洋神ポセイドン,ローマの海神ネプトゥヌス,インドをはじめ日本も含むアジア各地で崇拝されている水神ナーガNāga=竜神などがある。水神のパンテオン(万神殿)における地位と力は民族,社会によって異なるが,ところによっては高い地位と影響力をもつことがある。…

※「エンキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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