ウミヒルモ(読み)うみひるも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウミヒルモ」の意味・わかりやすい解説

ウミヒルモ
うみひるも / 海蛭藻
[学] Halophila ovalis (R.Br.) Hook.f.

トチカガミ科(APG分類:トチカガミ科)の沈水性常緑多年生海草。茎は繊細で長く水底をはい、節から長楕円(ちょうだえん)形で先が円く、長さ1.0~2.5センチメートル、幅0.6~1.5センチメートルの葉を2枚出す。花期は7~8月。普通は雌雄異株、単性花で雄花は柄(え)があり、萼片(がくへん)は3枚、花弁はない。雌花は柄がなく、2枚の包葉があり、球形果実をつける。本州の中部地方以西沿岸の浅い海底の砂地自生。インド洋から西太平洋に分布する。名は海産のヒルムシロの意味。別名は葉形からウミコバンという。

[大滝末男 2018年9月19日]


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世界大百科事典(旧版)内のウミヒルモの言及

【トチカガミ】より

…受粉の方式は水中での生活に適応して多様である。虫媒によるもの(トチカガミ,ミズオオバコなど)のほかに,小さい雄花の花柄が切れて水面を流れ,大きな雌花の柱頭につくもの(セキショウモ,ウミショウブ,コカナダモなど),花粉が粘液でつながり数珠状となって水面を流れるもの(ウミヒルモ,リュウキュウスガモ)などがある。 この科に最も近縁なのはハナイ科で,子房上位で完全な離生心皮をもつ点だけが異なる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」