イラク難民の大量流出(読み)いらくなんみんのたいりょうりゅうしゅつ

知恵蔵 「イラク難民の大量流出」の解説

イラク難民の大量流出

2007年、イラク国内の状況悪化に伴うイラク難民が問題化した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、イラクの人口の7分の1にあたる400万人以上が家を追われた。シリアには最大の150万〜200万人が避難し、ヨルダンには50万〜75万人が逃れ出た。イラク国内の避難民も200万人以上いるという。 バグダッドでは07年初めまでに混住地帯からの家族の避難によって、スンニ派とシーア派住民の住み分けが進んだ。爆弾テロはバグダッドの外に拡散する傾向となり、07年8月中旬、北部シンジャル近郊で、クルド人系少数宗派ヤジディの信者ら約500人が死亡するなど03年3月の開戦以来、最大規模となるテロが起こった。

(川上泰徳 朝日新聞記者 / 2008年)

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