アーバーカーハーン(英語表記)Ābāqā Khān

改訂新版 世界大百科事典 「アーバーカーハーン」の意味・わかりやすい解説

アーバーカー・ハーン
Ābāqā Khān
生没年:1234-82

イル・ハーン国第2代のハーン。在位1265-82年。初代フレグ・ハーンの長子。即位後あいついだ敵国軍の侵入を撃退し,内政も一応整えたが,彼の没後,ハーン位継承争いが頻発してイル・ハーン国は乱れた。マムルーク朝やこれと結ぶキプチャク・ハーン国と対抗するため,ローマ教皇や英・仏国王との軍事同盟を計画して使節を派遣したが,この策はその後の歴代イル・ハーンに継承されるところとなった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアーバーカーハーンの言及

【イル・ハーン国】より

…フレグとともに征服地に居ついた部族軍は,本来はフレグ一門の私的な軍隊ではなかった。第2代アーバーカー・ハーン(在位1265‐82年)が外敵の侵入を退け,内政を一応安定させたが,彼の没後,ハーン位継承争いと絡んだ有力部族長間の政争が頻発した。これと財政破綻とが相まってフレグ一門を王族に戴く部族連合の結束は極端にゆるみ,イル・ハーン国は国家存亡の危機に直面した。…

※「アーバーカーハーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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