… 20におよぶ塔と城門をそなえた厚い煉瓦造のクレムリンの城壁は,15世紀の末につくられたものであり,クレムリン内のウスペンスキー聖堂(15世紀)や赤の広場のワシーリー大聖堂(16世紀)をはじめネギ坊主形の屋根をもつ教会がまだ市内各所に保存されている。18世紀以後,富裕な貴族や商人の建てた古典主義スタイルやロマネスク様式の邸宅は現在,図書館や博物館などの公共施設に転用されており,他方クレムリンから北西にのびるトベリ通り(旧ゴーリキー大通り)や西に向かうノーブイ・アルバート通り(旧カリーニン通り)をはじめ目抜きの道路の両側にはホテル,アパートなどの近代的な高層建築がたち並んでいる。街区の整理はかなりすすんでいるが,それでもたとえばクレムリンに近いクズネツキー・モストやアルバート通りのような横町や裏通りは,狭い曲がりくねった街路と低い家並みに19世紀的な雰囲気をただよわせている。…
※「アルバート通り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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