アルキフロン(英語表記)Alkiphrōn

改訂新版 世界大百科事典 「アルキフロン」の意味・わかりやすい解説

アルキフロン
Alkiphrōn

2世紀ころのアテナイの修辞家。生没年不詳。書簡体の文学作品を書いた。118通の書簡と六つの断片が残っている。前4世紀のアテナイの下層階級の人々を差出人と想定している。アテナイ人気質を愛し,アッティカ擬古文で書いた。同時代人ルキアノス対話編から材料を得て,模倣も多いが,庶民生活の生き生きとした描出は優れている。遊女の書簡は,新喜劇作家とくにメナンドロスに関する情報を提供している点で貴重。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルキフロン」の意味・わかりやすい解説

アルキフロン
Alkiphrōn

2世紀のギリシアの作家。ルキアノスの書簡体文学を模倣,新喜劇題材を取って,前4世紀アテネのさまざまな階層の人々 (漁民農民,寄食生活者,遊女など) の手に成る手紙形式を使って,当時の庶民の日常生活をおもしろく描いた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「アルキフロン」の意味・わかりやすい解説

アルキフロン

200年ころのギリシア,アテナイの著述家。架空の手紙の形で,前4世紀のさまざまな階層のアテナイ人に,さまざまなことを生き生きと語らせている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報