アラトス(政治家、将軍)(読み)あらとす(英語表記)Aratos

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アラトス(政治家、将軍)
あらとす
Aratos
(前271―前213)

古代ギリシアの政治家、将軍。シキオン出身。紀元前264年に父クレイニアスが党争で殺害されてアルゴス亡命。前251年には祖国を独裁者の手から奪還して、反マケドニアのアカイア同盟に加盟させ、エジプトプトレマイオス3世の財政援助を取り付けた。前245年以降隔年にアカイア同盟の将軍職につき同盟の拡大に努めたが、プトレマイオスの支持がスパルタに移り、前227年スパルタのクレオメネス3世敗北を喫するに及んでアラトスはマケドニア陣営にくみした。アイトリア同盟に対する同盟市戦争(前220~前217)ではフィリッポス5世の軍事顧問を務めたが、前214年には同王の対ローマ戦争に反対した。

[馬場恵二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例