むかわ

改訂新版 世界大百科事典 「むかわ」の意味・わかりやすい解説

むかわ[町]

北海道南西部,胆振(いぶり)支庁勇払郡の町。2006年3月穂別(ほべつ)町と鵡川(むかわ)町が合体して成立した。人口9746(2010)。

むかわ町中北部の旧町。胆振支庁勇払郡所属。人口3837(2005)。夕張山地南部,苫小牧市の東方に位置し,鵡川中流域を占め,町域の約90%は山林である。1875年ころに初めて和人が入植し,開拓が始まった。1923年鉄道(国鉄富内線,1986廃止)が辺富内(へとない)(現,富内)まで開通し,開拓が進んで人口が急増した。また穂別炭鉱があり,最盛時の61年には人口1万をこえたが,67年には閉山し人口も半減した。稲作を中心にアスパラガスメロンの栽培,肉牛飼育が盛ん。製材,野菜缶詰などの工場もある。国道274号線が通じる。

むかわ町南部の旧町で,太平洋に面する。胆振支庁勇払郡所属。人口6765(2005)。鵡川の下流域を占め,川沿いに沖積地が開けるが,町域の大部分は火山灰地と泥炭地である。中心市街は鵡川河口に発達する。JR日高本線,国道235号線が通じる。1800年(寛政12)八王子千人同心頭原半左衛門らが鵡川畑作場へ入地,開墾と警備を行った。82年山口県から数戸の開拓民が入植し,その後日高山地から流送する木材集散地として発展した。灌漑排水路整備などの土地改良や稲の品種改良により大正初期から米作が盛んになった。テンサイ豆類などの畑作も行われる。苫小牧(とまこまい)東部工業開発地域に近接し,商工業も活発である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報