ぴたぴた(読み)ピタピタ

デジタル大辞泉 「ぴたぴた」の意味・読み・例文・類語

ぴた‐ぴた

[副]
平手でたたいたり、裸足はだしで歩いたりする音を表す語。ぺたぺた。「廊下ぴたぴたと歩く」
物がぴったりと付くさま。
湯上り素足が凍えた。岩に―吸いついた」〈康成温泉宿
[形動]水などが揺れ動いたりはねたりするさま。
「土がへこんで水が―に溜っている」〈漱石三四郎
[類語]1ぺたぺたぺたん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ぴたぴた」の意味・読み・例文・類語

ぴた‐ぴた

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 足早に歩く音や平手で軽くたたく音などを表わす語。
※詞葉新雅(1792)「ピタピタト ひしひしと 足音也」
② 水が、はねたりゆれたり物にぶつかったりする音を表わす語。
※映画時代(1930)〈寺田寅彦〉「折柄驟雨のあとで場内の片隅には河水がピタピタ溢れ込んで居た」
③ 物が密着するさまを表わす語。
※温泉宿(1929‐30)〈川端康成〉夏逝き「湯上りの素足が凍えた。岩にぴたぴた吸ひついた」
[2] 〘形動〙
① 水溜りなどの水が、ゆれ動いたり、小さくはねたりするさま。
※三四郎(1908)〈夏目漱石〉五「土が凹んで水がぴたぴたに溜ってゐる」
② 雨や水などで、しぼるほどひどくぬれるさまを表わす語。びしょびしょ。
※俄あれ(1916)〈里見弴〉「ピタピタに濡れた両袖を」

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