ひょう(雹)(読み)ひょう(英語表記)hail

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ひょう(雹)」の意味・わかりやすい解説

ひょう(雹)
ひょう
hail

直径 5mm以上の氷粒または氷塊降水。直径は 5~50mmで,ときにはそれ以上に大きくなる。透明なものと不透明な層をもつものがある。一般に強い雷電に伴って降る。雪の結晶が落ちる途中で上昇してくる多数の過冷却雲粒衝突して凍りつき,しだいに成長して落下速度を増し地上に達する。降水としては粒が大きいため,自然落下速度もかなり大きい。それに逆らって,ひょうとして成長するためには強い上昇気流が不可欠である。農作物に大きな被害を与えることがある。

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百科事典マイペディア 「ひょう(雹)」の意味・わかりやすい解説

ひょう(雹)【ひょう】

降水の一種で,直径5mm以上の大きさの氷の粒。透明なものと不透明な数層をもつものがある。発達した積乱雲から多くは雷雨に伴って降る。雲頂から降下する雪の結晶に多くの過冷却雲粒が凍りついてできるもので,途中強い上昇気流のため長時間雲中に支えられると大きなひょうに成長し,ときに直径10〜20cmを超える。降る範囲は数km程度で狭いが農作物や人畜に被害を与える。→あられ
→関連項目凍雨

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世界大百科事典 第2版 「ひょう(雹)」の意味・わかりやすい解説

ひょう【ひょう(雹) hail】

おもに積乱雲から降ってくる,直径が5mm以上の氷の粒または塊,およびそれらが落下する現象をいう。ひょうはあられがもっと大きく成長したもので,球形のことが多いが,表面突起をもつものもある。ゴルフボール大のもの,まれには野球ボールより大きいのが降ることもある。ひょうを切断して調べてみると,多くの場合透明な層と不透明な層が交互にいくつか重なってできているのがわかる。これは積乱雲内の強い対流によって上昇・下降を繰り返すうち,過冷却した雲粒が次々に衝突・凍結する着氷現象で成長したことを示している。

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