はだすすき

精選版 日本国語大辞典 「はだすすき」の意味・読み・例文・類語

はだ‐すすき

[1] 〘名〙 語義未詳。薄(すすき)のある状態の名称か。一説に、「はたすすき」の変化したものとも、「膚薄(はだすすき)」の意で、穂の出る前の皮をかぶった状態の薄とも。
万葉(8C後)八・一六三七「波太須珠寸(ハダススキ)尾花逆葺(さかふ)き黒木もち造れる室は万代までに」
[2]
① 薄の穂の意で「穂」と同音の「秀(ほ)」にかかる。一説に、皮のうちにある薄の穂が伸びてくる意で、「穂に出づ」と同音の「秀に出づ」にかかるという。同じような用法序詞の末に用いられることもある。
※万葉(8C後)一〇・二三一一「皮為酢寸(はだすすき)穂には咲き出ぬ恋を吾がする玉かぎるただ一目のみ見し人故に」
② かかる語およびかかり方未詳。「久米(くめ)若子(わくご)」にかかるとする説もあるが、句を隔てて地名「三穂」にかかるという説もある。
※万葉(8C後)三・三〇七「皮為酢寸(はだすすき)久米の若子がいましける三穂の石室は見れどあかぬかも」
③ 薄の末(うれ)の意で、「うれ」と類音を含む地名「浦野の山」にかかる。
※万葉(8C後)一四・三五六五「彼の子ろと宿ずやなりなむ波太須酒伎(ハダススキ)宇良野の山に月片寄るも」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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